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親御さんが住んでいた自宅の土地は、相続税の計算でいくらと評価されるのか。相続税がかかりそうかどうかの見当をつけるとき、まず気になるところです。

この記事では、堺市にある戸建ての自宅の土地を例に、手元の書類のどこを見るか、国税庁の路線価図の探し方と読み方、計算の流れを、仮の数字を使って順に説明します。内容は2026年10月30日時点のもので、令和8年分の路線価等を前提にしています。

この記事の要点

  • 土地の評価方法は「路線価方式」と「倍率方式」の2つで、どちらになるかは土地の場所で決まります。堺市内にも倍率方式の地域があります。
  • 使うのは、亡くなった日の属する年分の路線価です。2026年中の相続なら令和8年分(2026年7月1日公開)です。
  • 路線価方式の計算は「路線価 × 奥行の長さなどに応じた補正率 × 面積」です。土地の形や接している道路によって、補正や加算が入ります。
  • 当事務所の相続税シミュレーターに入れるのは、納税通知書(課税明細書)の固定資産税評価額(「価格(評価額)」の欄)です。路線価で出した金額をそのまま入れると、上乗せが重なります。

土地の評価方法は2つ。どちらになるかは場所で決まります

相続税の計算で宅地(建物の敷地)を評価する方法は、路線価方式と倍率方式の2つです(財産評価基本通達11。財産評価基本通達は、相続税・贈与税で財産を評価するときのルールとして国税庁が定めたものです)。路線価は、道路に面する標準的な宅地の1㎡あたりの価額で、国税局長が毎年定め、国税庁のホームページで公開しています。市街地のように道路ごとに路線価が付いている地域(路線価地域)では路線価方式、それ以外の地域(倍率地域)では倍率方式を使います。どちらになるかは選べず、土地のある場所で決まります。

堺市内にも、宅地に倍率が定められた地域(市街化調整区域など)があります。市街化調整区域は、市街化を抑える区域として都市計画で定められた区域です(都市計画法7条3項)。自宅がどちらに当たるかは、このあと説明する手順で確かめます。

使うのは、亡くなった日の属する年分の路線価図・評価倍率表です(国税庁 No.4604 Q&A)。令和8年分は2026年7月1日に公開され、2026年1月1日から12月31日までの相続に使います。年の前半に亡くなり、その年分がまだ公開されていないときは、公開を待ってから評価します。路線価は1月1日を評価時点とし、地価公示価格等(国が毎年公表する地価公示価格など、土地の取引の目安となる価格)を基にした価格の80%程度を目途に定められています(国税庁「令和8年分の路線価等について」)。

この記事は、亡くなった方が住んでいた戸建ての敷地が対象です。マンション(よくある質問)は、評価の方法が異なります。貸している土地・アパートの敷地も、自宅の土地とは評価の方法が異なります(アパート・貸家などの評価を令和9年以後の相続・贈与から見直す案については、貸付用不動産の「5年ルール」とは?で解説しています)。全体の流れは次の図のとおりです。

① 固定資産税の課税明細書を見る 所在地・課税地積・価格(評価額)を確認 ② 国税庁の評価倍率表・路線価図で場所を確認 亡くなった年の分 → 大阪府 → 堺市○区 → 町名 路線価地域 路線価 × 補正率 × 実際の面積 例)10万円×1.00×150㎡=1,500万円 (数値はすべて仮の数字) 倍率地域(堺市内にもあり) 価格(評価額)× 倍率 倍率は評価倍率表の「宅地」欄 ③ 土地の相続税評価額(特例を使う前) 形・道路・広さによる補正や加算が入ることがあります ④ 自宅の土地は小規模宅地等の特例を確認 要件を満たせば330㎡まで80%減。使うには申告が必要です 相続税シミュレーターに入れるのは①の「価格(評価額)」 ③の金額を入れると、シミュレーター内の1.2倍が重なります
図:自宅の土地の相続税評価額を出す流れ(路線価地域と倍率地域)。数値は仮の数字で、堺市内の実際の路線価ではありません。スマホでは文字が小さくなるため、本文もあわせてご覧ください

まず手元の「課税明細書」を確認します

最初に用意したいのは、固定資産税・都市計画税の納税通知書と、それに付いている課税明細書です。堺市も、所有している資産の確認には課税明細書を使うよう案内しています。堺市の課税明細書(令和8年度の見本)では、土地の行に次の欄があります。

欄の名前書かれていること相続税の評価での使い方
所在地土地の所在地。住居表示の住所とは異なることがあります路線価図・評価倍率表で場所を探す手がかり
課税地積課税の対象になっている面積。登記簿の面積と異なることがあります目安。相続税では実際の面積で評価します
価格(評価額)1月1日(固定資産税の課税の基準日)現在の価格倍率方式とシミュレーターで使う金額
固定資産税課税標準額固定資産税の計算の基礎になる額。住宅用地の特例(住宅の敷地の固定資産税を軽くする特例)などで、価格より小さくなっています使いません

特に、「価格(評価額)」と「固定資産税課税標準額」を取り違えないようにします。自宅の土地は住宅用地の特例で課税標準額が小さくなっており、堺市の見本でも2つの金額は大きく違います。

同じ課税明細書にある家屋(建物)の「価格(評価額)」は、原則として、自宅の建物の相続税評価額としてそのまま使えます(家屋は固定資産税評価額×1.0。国税庁 No.4602)。増改築が評価額に反映されていない場合などは、計算が変わります(国税庁 質疑応答事例)。

倍率方式の計算や家屋の評価(財産評価基本通達21・89)に使うのは、亡くなった日の属する年の年度分の価格です。その年の1月1日を課税の基準日とする年度の価格で、2026年中に亡くなった場合は、1月〜3月に亡くなったときも令和8年度分です(地方税法359条)。申告の準備中に翌年度の納税通知書が届いても、使うのは亡くなった年の年度分です。亡くなった年の年度分の納税通知書が届く前に亡くなった場合など、手元に前年度の課税明細書しかないときは、亡くなった年の年度分の固定資産評価証明書を取って確かめます。

年度ごとの価格は、原則としてその年の3月31日までに決まります(地方税法410条)。堺市では4月から、新しい年度の評価証明書を各区役所の市民課で取ることができ、郵送でも請求できます。相続人の方が請求するときは、本人確認書類と、戸籍など相続人であることが分かる書類が必要です。亡くなった年の3月までに取った評価証明書(相続登記のために取ったものなど)は前年度の分なので、亡くなった年の年度分の価格は4月以降に確かめます。概算で見当をつけるだけなら前年度の課税明細書の価格でもかまいませんが、3年に一度の評価替えの年度などは、前年度と価格が変わることがあります。

課税明細書は、固定資産のある区ごとに作られます。複数の区に土地をお持ちだった場合は、区ごとの納税通知書をそろえます。また、共有名義の不動産は、単独名義の分とは別の納税通知書(「○○さん外1人」のような宛名)になり、ほかの共有者の方に届いていることがあります。亡くなった方名義の不動産をまとめて確認できる名寄帳については堺市で相続が起きたらで、ほかに集める書類(登記簿謄本・公図・地積測量図など)は必要書類チェックリストでご案内しています。

国税庁の路線価図で自宅の場所を探す

路線価図と評価倍率表は、国税庁のホームページ「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で、どなたでも見られます。国税局や税務署のパソコンでも閲覧できます(国税庁 No.4604 Q&A)。探し方は次の順です。

  1. 年分を選ぶ:2026年中の相続なら令和8年分です。
  2. 「大阪府」を選び、まず評価倍率表を見る:自宅のある区(堺市○区)の表で町名を探し、「宅地」の欄を確認します。「路線」とあれば路線価地域、数字が書いてあれば倍率地域です。
    • 町名が見当たらないときは、表の最後にある「上記以外」の行を見ます。令和8年分の堺市の各区の表では、「上記以外」の宅地欄は「路線」です。
    • 「路線」でも数字でもない表示(堺区の土地区画整理事業の区域の行などにある「個別」など)のときは、税務署や税理士にご確認ください。
  3. 同じ町に両方あるときは路線価図で確かめる:同じ町名に「路線」の行と倍率の行が両方あるとき(例:「市街化区域」の行が路線、「市街化調整区域」の行が倍率)は、その町に路線価地域と倍率地域の両方があります。「適用地域名」の欄が「一部」または「路線価地域」となっているときも同じです。自宅がどちらに当たるかは路線価図で確かめます(倍率地域の部分には「倍率地域」と書かれています)。倍率の行が、道路沿いかどうかなどでさらに分かれていることもあるため、どの行に当たるかもあわせて確かめます。
  4. 路線価図を開く:「路線価図」から堺市○区を選び、町丁名の索引から路線価図の番号を開きます。

路線価図の地図には、町丁名と街区番号(丸で囲んだ数字)が書かれています。課税明細書の所在地は住居表示の住所と一致しないことがあるため、場所がつかみにくいときは、堺市の「固定資産(土地)地番参考図」も参考になります(証明や申請の資料には使えません)。申告に使う前には、国税庁の路線価図等の正誤表もあわせて確認します。

路線価図の数字と記号の読み方

路線価図では、道路の上に「100D」のような数字とアルファベットが書かれています。数字は、その道路に面する標準的な宅地の1㎡あたりの価額で、千円単位です。国税庁の説明では、「215D」は1㎡あたり215,000円を表す例として紹介されています。

数字のすぐ右のアルファベット(A〜G)は借地権割合です(Aが90%、Gが30%で、Dなら60%)。これは土地を貸している・借りている場合や、貸家の敷地を評価する場合などに使うもので、亡くなった方が自分で使っていた自宅の土地(自用地)の評価には使いません。

数字が丸・楕円・六角形などの記号で囲まれているときは、その記号が地区区分(普通商業・併用住宅地区など)を表します。囲みがなければ普通住宅地区です(路線価図の上の凡例でも、普通住宅地区の欄だけ記号がなく「無印は全地域」と書かれています)。記号の一部が黒く塗られていたり斜線が引かれていたりするときは、その地区区分が道路のどちら側に、どの範囲(その側の全体か、道路沿いだけか)で当てはまるかを表しています。同じ道路でも道路の側によって地区が異なることがあるため、自宅の側がどの地区かは、路線価図の上の凡例で確かめます。地区によって、次の章の補正率が変わります。

なお、堺市が固定資産税のために付けている「固定資産税路線価」は、国税庁の路線価とは別のものです(堺市のホームページでも、相続税・贈与税には相続税路線価を用いると案内されています)。

計算の流れ:路線価×補正率×面積(仮の数字で計算)

路線価方式の基本は、路線価 × 奥行価格補正率 × 面積です(財産評価基本通達13・15、国税庁 No.4604)。奥行価格補正率は、道路から奥までの長さ(奥行)に応じて、1㎡あたりの価額を調整する割合です。普通住宅地区では、奥行が一定の範囲なら1.00で、それより短いか長いと1.00より小さくなります(1.00になる範囲は地区によって違います)。角地などでは加算が、形の整っていない土地などでは別の補正が加わります。仮の数字で、いちばん単純な形を計算してみます。

  • 普通住宅地区で、一方だけが道路に面した長方形の土地
  • 路線価「100D」(1㎡あたり10万円)
  • 間口10m・奥行15m、面積150㎡

上の条件はすべて説明のための仮の数字で、堺市内の実際の路線価ではありません。国税庁の調整率表(奥行価格補正率などの割合を地区ごとにまとめた表)では、普通住宅地区の奥行価格補正率は、奥行10m以上24m未満なら1.00です。この形なら、間口が狭いことや奥行が長いことによる補正もかかりません。

例)10万円 × 1.00 × 150㎡
→ 自宅の土地の評価額 1,500万円(仮の数字)

「D」(借地権割合)は、自宅の土地の計算には使いません。

計算に使う面積は、課税明細書や登記簿の面積ではなく実際の面積です(財産評価基本通達8)。登記簿の面積と実際の面積が大きく違いそうなときは、測量図などで確かめます(すべての土地で測量が必要なわけではありません。国税庁 No.4602 Q&A)。宅地は登記の1筆(登記簿上の1つの土地)ごとではなく、利用の単位となっている1区画ごとに評価します(同通達7-2)。正式な計算は、国税庁の「土地及び土地の上に存する権利の評価明細書」で行います。

路線価が付いていない地域は「倍率方式」で評価します

倍率地域にある宅地は、固定資産税評価額(課税明細書の「価格(評価額)」)× 評価倍率表の倍率で評価します(財産評価基本通達21・21-2、国税庁 No.4606)。倍率は、評価倍率表の町名の行の「宅地」欄に書かれています。課税明細書の面積と実際の面積が違うときは、実際の面積に合わせて価格(評価額)を計算し直してから、倍率を掛けます(国税庁 質疑応答事例)。

倍率地域でも、一定以上の広さがある宅地(地積規模の大きな宅地)に当たる場合は、計算を調整する定めがあります(同通達21-2)。ただし、市街化調整区域(一部の区域を除く)や工業専用地域にある宅地などは対象になりません(同通達20-2、国税庁 No.4609)。田・畑・山林は評価の方法が異なるため、この記事では宅地だけを扱います。

路線価どおりにならない土地もあります

路線価は、その道路に面する「標準的な」宅地の価額です。実際の土地との違いは、補正や加算で調整します(財産評価基本通達14-3・16〜24-6、国税庁 No.4604・No.4607・No.4622 ほか)。

  • 評価が上がる方向:角地(正面と側方に道路がある土地)や、正面と裏側の両方に道路がある土地は、もう一方の路線価の一定割合を加えます。
  • 評価が下がる方向:次のような土地には、評価を下げる定めがあります。
    • 形が整っていない土地(不整形地)
    • 間口が狭い土地・奥行が長い土地
    • がけ地を含む土地
    • 建て替えのときにセットバック(道路の後退)が必要な部分
    • 私道になっている部分
    • 一定以上の広さがある土地(地積規模の大きな宅地。広さのほか、地域や地区の要件があります)
  • 路線価地域の中で、路線価の付いていない道路だけに面している土地:税務署に「特定路線価」(その道路を路線とみなして、評価のために税務署が設定する路線価)の設定を申し出ることができます。国税庁の案内では、設定までにおおむね1〜2か月程度かかるとされています。

どの補正や加算を使うかは、現地の状況や測量図、道路の種類などを確かめて判断します。補正を検討しても、評価が下がるとは限りません。気になる土地は、資料をお持ちいただければ当事務所で拝見します。

固定資産税評価額との違いと、シミュレーターに入れる金額

課税明細書の「価格(評価額)」(固定資産税評価額)と、相続税の路線価は、次のように別々の仕組みで決められています。

項目相続税の路線価固定資産税評価額
決めるところ国税局長(道路ごと)市長(堺市の場合)
価格の水準の目途地価公示価格等を基にした価格の80%程度宅地は地価公示価格等の7割
見直し毎年(1月1日時点)3年に一度の評価替え(その間は原則据え置き。地価が下がった地域では修正されることがあります)
面積実際の面積原則として登記簿の地積
使う税金相続税・贈与税固定資産税・都市計画税

水準も見直しの時期も違うため、2つの金額の比率は場所や年によって変わり、決まった換算率はありません。

相続税シミュレーターに入れる金額

当事務所の相続税シミュレーターは、土地を固定資産税評価額 × 1.2倍で概算する作りです。入れるのは、納税通知書(課税明細書)の固定資産税評価額、つまり「価格(評価額)」です。「固定資産税課税標準額」ではありません。見当をつけるための概算なので、手元に前年度の納税通知書しかないときは、その「価格(評価額)」を入れてもかまいません。

路線価で出した金額をそのまま入れると、上乗せが重なります。たとえば上の仮の数字の1,500万円を土地の欄に入れると、シミュレーターの中で1.2倍され、1,800万円として計算されます。

1.2倍は当事務所が概算のために置いている倍率で、国税庁などが定めた換算率ではありません。倍率地域の土地でも、入れるのは「価格(評価額)」で、シミュレーターは一律に1.2倍で概算します(評価倍率表の倍率は1.2とは限りません)。小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減も計算に入っていないため、結果は目安としてご覧ください。

共有名義の土地・建物は、全体の価格ではなく、亡くなった方の持分に当たる金額を入れます。マンションは、課税明細書に敷地全体の価格が載っています(建物も一棟全体の金額が載っている場合があります)。そのまま入れると実際より大きくなります。マンションの場合は、よくある質問もあわせてご覧のうえ、個別にご相談ください。なお、二次相続シミュレーターと贈与税シミュレーターは、反対に相続税評価額(路線価などで出した金額)を入れる作りです。

自宅の土地は「小規模宅地等の特例」で下がることがあります

亡くなった方が住んでいた自宅の土地は、要件を満たす親族が相続すると、330㎡まで評価額を80%減らせる小規模宅地等の特例があります(国税庁 No.4124)。上の仮の数字の例で要件を満たせば、1,500万円の土地を300万円として計算します。誰が取得するか、同居していたかなどで要件が変わりますので、詳しくは小規模宅地等の特例と実家を相続したらをご覧ください。

この特例は、相続税の申告書に記載し、必要な書類を付けた場合に限って使えます(租税特別措置法69条の4第7項)。申告が要るかどうかの判定に使う課税価格の合計は、小規模宅地等の特例を使う前の金額です(国税庁 No.4205)。課税価格の合計が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)の範囲内であれば申告は不要です。ただし、超えている場合には申告が必要になるため、判断に迷うときはご相談いただくのが確実です。なお、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例で税額をゼロにする場合は申告が必要です。

この記事のよくある質問

路線価はいつの年分を使えばよいですか?

亡くなった日の属する年分の路線価図・評価倍率表を使います(贈与の場合は、贈与で財産を取得した日の属する年分です)。2026年中の相続なら、2026年7月1日に公開された令和8年分です。その年分がまだ公開されていない時期の相続は、公開を待ってから評価します。国税庁のホームページには過去の年分も載っているため、年分の選び間違いにご注意ください。

路線価が付いていない場所の土地は、どう評価しますか?

路線価が定められていない地域(倍率地域)の土地は、固定資産税評価額(課税明細書の「価格(評価額)」)に、国税庁の評価倍率表の倍率を掛けて評価します。堺市内にも倍率地域があります。同じ町の中に路線価地域と倍率地域がある場合もあるため、評価倍率表と路線価図の両方で確かめます。

固定資産税評価額から、相続税の評価額は分かりますか?

倍率地域なら「価格(評価額)×倍率」で計算できます(課税明細書の面積と実際の面積が違うときは、実際の面積に合わせて価格を計算し直してから倍率を掛けます)。倍率を掛ける価格は、亡くなった日の属する年の年度分の価格(その年の1月1日を固定資産税の課税の基準日とする年度の価格)です。路線価地域では直接は出ず、路線価・補正率・実際の面積で計算します。どちらの場合も、使うのは課税明細書の「価格(評価額)」で、住宅用地の特例などで小さくなった「固定資産税課税標準額」ではありません。当事務所の相続税シミュレーターは価格(評価額)を1.2倍して概算しますが、1.2倍は公式の換算率ではありません。路線価で出した金額をそのまま入れると、上乗せが重なります。

マンションの敷地も、同じ計算で評価しますか?

計算が異なります。令和6年1月1日以後に相続などで取得した居住用の分譲マンションは、一定のものを除き、土地部分(敷地利用権)と建物部分(区分所有権)の価額に区分所有補正率を掛けて評価する場合があります。補正率は築年数・総階数・所在階・敷地の持分の広さなどから計算し、補正がかからないこともあります。また、堺市の課税明細書では、マンションの共用土地・共用家屋は、全体の地積(床面積)・価格が載っています。この記事の計算例や相続税シミュレーターの結果は目安にとどまりますので、個別にご相談ください。

形の悪い土地や、私道を含む土地は、評価が下がりますか?

形が整っていない土地、間口が狭い・奥行が長い土地、建て替えのときにセットバックが必要な部分、私道になっている部分などは、補正によって評価が下がる場合があります。反対に、角地や正面と裏側の両方に道路がある土地は、加算によって評価が上がる場合があります。どの補正を使えるかは、現地の状況・測量図・道路の種類などを確かめて判断しますので、資料をお持ちのうえご相談ください。

参考(出典)

各機関のページはいずれも2026年10月30日に確認しました。本文の表・図のうち国税庁・総務省・堺市の情報を含む部分は、各ホームページの情報を当事務所が加工して作成しています。路線価図の画面や地図は転載していません(図は当事務所が作成した模式図です)。

国税庁(路線価図・評価倍率表)

国税庁(タックスアンサー)

国税庁(質疑応答事例)

国税庁(財産評価基本通達・様式)

法令(e-Gov法令検索)

総務省・堺市

関連コラム・ツール

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する税務上のアドバイスではありません。土地の形や利用の状況、接している道路などによって評価額は変わります。数値例はすべて説明のための仮の数字で、堺市内の実際の路線価ではありません。記載内容は2026年10月時点の法令等と令和8年分の路線価等に基づいています。路線価は年分ごとに改められますので、最新の情報は国税庁のホームページでご確認ください。個別の土地の評価や申告の要否については、税理士にご相談ください。

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